ワイドビューしなのの先頭グリーン車パノラマタイプは前面展望が売り。ただ1番CD席以外はメリットを感じませんでした。最前列を狙っている方々に参考にしていただければと思いシェアします。
東海 383系使用「ワイドビューしなの」先頭車パノラマタイプ、グリーンの最前列を予約
ワイドビューしなのは名古屋から松本・長野方面へ向かう特急です。JR東海の383系車両を使用し長野県方面の先頭車に前面展望が期待できるパノラマタイプのグリーン車を連結しています。
残念ながら車内販売はありません。お弁当や飲み物は乗車前に購入しておきましょう。
車両の特徴 振り子列車
383系はコンピューター制御による制御付自然振子方式を採用した車両です。木曽川沿いの曲がりくねった線路を速度をそれほど落とすことなく走り抜けることが出来き、名古屋ー長野間を3時間を切るタイムで結びます。
基本構成は6両一組。増結で4両プラスの10両の事も
編成は基本6両です。長野方面の先頭車にパノラマタイプのグリーン車が連結されるのが基本。たまに4両+2両の場合があります。長野方面が1号車で最後尾が6~10号車となります。
名古屋駅にて撮影
私たちが乗車した日は6両+4両の合計10両編成でした。ご覧のように先頭車両はパノラマタイプでした。
貫通路付きの非パノラマタイプが連結されることも
基本は6両ですが、さらに2~4両を増結して運転される日があります。気を付けたいのは長野方面の先頭車両に貫通路(連結した車両間を行き来できる扉)付きのグリーン車(383系100番台)が連結されることがありうるという事。その場合パノラマタイプのような前面展望は期待できません。こればかりは事前に選べません。
先頭車両・グリーン車
先頭車両の1号車の車内です。見てのとおり2+2シートです。ワイドビューひだのキハ85系のようなセミハイデッカーのような作りにはなっていません。これは383系が振り子車両ゆえに重心を低く保つ必要があるためでしょう。
後ろから見る限り、グリーン車とは思えませんね。色合いのせいでしょうか。よく言えばシックで落ち着いているとも言えます。座席レイアウトですが、他では1+2席タイプのグリーン車も多く存在しますので、どうしても見劣りしてしまします。JR北海道のキハ281系・キハ283系の事を考えると制御式振り子車両で1+2席とする事は技術的には可能なのでしょう。しかしそれには開発段階から設計に1+2のレイアウトを盛り込む必要があるはずですし、そうまでして3列化することが果たして商業的に正解か?と考えると2+2はある意味自然な流れなのかもしれません。純粋な感想としては少々残念。
グリーン車のシートピッチは1200mmを確保。普通車でも1000mmありますので、グリーン車を積極的に選ぶ理由が乏しいような気がします。ひじ掛けの高さからどれくらいのワイドビューかがお分かりかと思います。これでセミハイデッカーだったらさらに見晴らしがよかったかもしれません。
グリーン車のお約束、カーペット敷きとフットレストはもちろんつきます。でもキハ85だと普通車でもカーペット敷なんですよね。
座席はここまで倒れます。標準的な倒れ幅という印象ですね。また窓ガラスは前後の2列で一枚のタイプです。”耳”のようなヘッドレスト?!部分がありますのでひと眠りしたいときにはちょうど良い感じですね。
座席番号について
長野方面行下り列車を基準でいいますと・・・
- 先頭が1号車で1~11番まであり
- 向かって左からABCD席
- 窓ガラスは1番と2番で一枚のタイプ
- なので偶数番の方が窓ガラスが広くなる
以上のようになります。
最前列はどうか?
最前列1番CD(1C1D)席の様子。足元は他の席に比べると若干狭く感じますが事実上問題なし。テーブルがついています。横の窓をご覧いただければ、横方向の展望には乏しいことがお分かりかと思います。
1番CD席からの前面展望。横の展望は期待できませんが、前面展望は期待できます。なかなかの解放感です。
一方、1番AB席の方はと言いますと…
上のような見え方をします。お分かりのように運転台があるためAB席からは前面展望が期待できません。実は今回私たちが取れたのがこの1A1B席の方でした。お隣のCD席には若いスーツ姿の男性が乗っておりました。塩尻で降りられたため、空いてからそちらからの写真を撮ったというわけです。
最前列付近をアップしてみました。ご覧のような感じですので、2列目以降は前面展望は望めません。1列目のみ、しかも右側CD席のみの特権と言えるでしょう。
1号車グリーン車のお勧めの席は?
以前に383系の普通車に関して記事を書いたことがあります。
そちらの方でも触れていますが、中央西線(中央本線)は長野方面行き下り基準ですと主に木曽川の右側に線路が敷設されています。ですので進行方向左側(AB席)の席の方が眺めが良いです。渓相が大変起伏に富んでおり見ていて飽きません。寝覚めの床といった景勝地も存在します。一方日本3大車窓の姨捨は向かって右側CD席になりますが、見られる時間を考えると左の方がお勧めですね。
最前列はお勧めできるか?1番CD席ならいいかもしれないが、それ以外は微妙。
もし1番CD席が取れるようでしたらお勧めできます。一方1番AB席に関しては今回のレビューでもわかるように賛否が分かれるのではないかと思います。1番AB席を取るくらいならばむしろ、2番AB(偶数番)を取った方が横窓からの展望が期待できるので良いようにも思えます。
まとめ フルムーンパスならばあり。無理せず普通車で十分かも。
皆さんはグリーン車に何を求められるでしょうか。ある人はゆったり感や乗り心地を、またある人は普通車よりも豪華な内装を求めるかもしれません。よりラグジュアリーな空間を求める人がいてもおかしくないと思いますが、その点383系グリーン車は「普通+」くらいの印象でした。(※個人の感想です。)
私たち夫婦が乗った時のグリーン車の乗車率は3割程度といったところ。正直なところ普通車でも十分かな?!といった印象です。需要がそれほどないのなら2+1席で作ってくれても良かった気がします。リニューアルで2+1に改造されることを期待したいですね。この辺りはどうしてもJR北海道のキハ281系・283系と比べてしまいます。もちろんフルムーンパスで乗られる方々はグリーン車一択で間違いないでしょう。
余談ですが、振り子電車は酔うか?の検索でこちらに飛んで来られる方が多いのですが、あの程度で酔うのだろうか?というのが正直な感想です。しかし酔わない人にはわからない、ダメな人にはダメなのかもしれません。個人的には右へ左へとグワングワンさせながら疾走する感覚はさながらアミューズメントのようで振り子電車に乗る楽しみの一つとも言えます。豪華さを求める方には心からお勧め出来るものではないものの、乗っていて楽しいという意味では振り子車両の中で最も好きな車両です。そういう意味でも、乗るなら普通車で良いかな?と思っています。
コメント
(ワイドビュー)しなの号のグリーン車について。
① まず、ハイデッカーでないのは、ご指摘のように、車両を安定させるため。加えて【バリアフリー】に対応させるためでもあります。
② 次に、グリーン車でも三列シートでないのは、他でもなく、それが【振り子】式車両であり【左右のバランス】を保つ必要があるためです・・。
これくらい小学生でも分かりそうな気がしますが・・。
まぁ、ずいぶん偏ったレポートありがとうございました。
以上