かつて、東京発静岡行きの321M列車に特急型車両が利用されていたことがあります。いまでは見ることのできない光景。以前乗ったことがありましたのでその時のレポートをお送りします。なお、この記事はアーカイブとして過去の旅行記をもとに作られています。現在のダイヤとは異なりますのでご注意ください。
JR東海 特急型車両373系乗車レポート
かつて、運用されていた東京発静岡行き321M列車の特急型車両運用。残念ながら2012年3月のJRダイヤ改正でなくなってしまいました。かつてこれに乗ったことがあります。
乗車のきっかけ
ムーンライトながらで東京駅まで来ました。183系・189系を使用したムーンライトながらの記事はこちらにあります。
ムーンライトながらで東京まで来ると、東京に5:05分に到着します。このまま目的地まで行ってもいいのですが、それでは面白くない。せっかく青春18きっぷを使っているのでこの際色々と乗ってみようと思いました。考えたのは…
- 東京5:20発静岡行き普通列車(321M)で小田原へ
- 小田原7:41発新宿行きおはようライナー新宿26号で新宿へ
ムーンライトながらの中で慣れない姿勢で一晩居たので少し休みたいところ。時間も時間ですし、電車に乗ってひと眠り、といったところです。
373系車両の特徴
373系列車の特徴を見ていきたいと思います。まず初めに、特急なのに373系という番号が付されていることに違和感を覚える方もおられるかもしれませんね。
373が意味するところ
通常特急型車両には”8”という番号が使用されます。例えば、185系、381系、481系、485系、583系…など。かつては5から7までは急行型ともいわれていました。373系という事は純粋な特急として開発されたというよりも、他の用途も念頭に置いて作られたことを物語る番号です。
373系にはデッキと客室を隔てる扉がない
この373系、もともと普通列車での運用も視野に入れて開発されたらしく、その形跡は随所にみられます。特に373系の最大の特徴が上の写真ではないかと思います。なんと、デッキと座席を隔てる扉がありません。写真では見づらいかもしれませんが、車内に入る扉の部分は自動ドアがあるのではなく、常に上のように開きっぱなしです。先にも書いたようにもともと普通列車としての運用をも視野に入れていたわけですから、当然といえば当然です。次から次へと乗り降りをする人々の流れをドアでいちいち遮っていては時刻表通りの運行に支障をきたすでしょう。実際、321M運用で乗ったときにはこのデッキ部分が人であふれ、座席通路にも立ち客が大勢おりました。
それにしても、真冬の寒い時間帯、デッキ付近の人はかなりつらいでしょうね。扉が開くたびに冷たい空気が流れ込んでくるわけです。特急として乗るのであれば停車駅はそれほど多くはありません。とはいえ、特急料金を払って乗るわけですからね。高いお金をを払って乗る人たちは、複雑な気持ちになるんじゃないかと思います。
シートは?
シートピッチは970㎜。JRクループの中ではごく普通、気持ち狭いかな?!というレベルです。しかし同じJR東海の中にはワイドビュー車両キハ85系(ワイドビューひだ)や383系(ワイドビューしなの)といった豪華な車両が存在しており、どちらもシートピッチ1000㎜を誇ります。それと比べるとどうしても見劣りしてしまいますね。特にキハ85系などはさらにハイデッカー仕様かつ足元カーペット仕様というゴージャスさを備えています。373系はワイドビューふじかわ(静岡~甲府)やワイドビュー伊那路(豊橋ー飯田)としても運行していますので、「ワイドビュー特急」を名乗る列車としては少々残念です。
なお、座り心地自体はそれほど悪くはありません。ごく普通の特急車両といったところです。ましてや普通列車として運用されている事を考えれば上等です。
まとめ
特急車両としてはちょっと物足りない感が否めません。中途半端ゆえに応用がきくとも言えますが…。かつてはムーンライトながらの運用にあてられていた時期もありました。キハ85系に代わる車両の新造も発表されていることですし、いずれこちらの車両も新しくなるのでしょうか。もっとも飛騨路や信濃路といったある程度稼ぎが見込める路線でないと中途半端なままで行きそうですね。JR東海はリニア新幹線も控えていますし、今後の在来線特急の動向を注視したいと思います。
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