特急「指宿のたまて箱」予約は増結3号車に注意【揺れる指宿枕崎線】

車両レポート

JR九州の観光特急「指宿のたまて箱」。子供たちに大人気で休みの時期は予約が取りずらい事も。全席指定のため出来るだけ良い席を取りたいところですね。指宿のたまて箱は繁忙期になると3両編成になるのですが、注意が必要なのはその増結車両の3号車。また指宿枕崎線は良く揺れる路線としても知られていますので注意が必要かも。予約する前に確認したいポイントを押さえておきたいと思います。

JR九州・観光列車の指宿のたまてばこ乗車レビュー

JR九州には魅力的な観光列車が多くあります。その中で特に子供たちに人気そうなのが指宿のたまて箱。増結された3号車に乗車する機会がありました。今回取り上げたいのは以下の2点です。

  1. 増結車両(3号車)にご注意
  2. 指宿枕崎線は揺れる事で知られているのでご注意

指宿のたまて箱に使用される車両

指宿のたまて箱は通常キハ40系車両である47形が2両で運行されますが、繁忙期などは派生形のキハ140形が増結され3両編成で運行されます。

 

系?形?

キハ40系の中には、キハ47形やキハ48形、改造された派生形として41形や140形などがあります。もどちらもケイと読めるのでややこしくなるのですが、「キハ40という系統の中に、それぞれの形式が存在する」と考えると覚えやすいです。

 

鹿児島中央発指宿行き基準で左側(海側)が白く、山側はは黒く塗り分けられているのが特徴。

上から見るとツートンカラーであることがはっきりと分かりますね。

 

1,2号車・キハ47形の改造車

主な車両はキハ47型を改造したものが使用されています。

3号車・キハ140形の改造車

繁忙期などにはキハ140形の改造車両が運用に充てられます。

かつては特急はやとの風に使用されているキハ140形が使用される事がありましたが、上の画像からわかるように2012年に指宿のたまて箱用に再塗装され運用に充てられる事となりました。

キハ140形の特徴は車両中央部の大きな窓です。

誰でも利用できる展望スペース・ソファーが設置されています。

3号車・キハ140形の増結車両の車内

車内のデザインを手掛けているのはご存知、水戸岡鋭治氏。今や氏のデザインによる車両が日本全国あちこちで目にすることが出来ます。その中でも指宿のたまて箱は比較的初期の作品と言えそうです。

乗車したのは普段は連結されないキハ140形が使用されている増結車。車内は基本通常の40系のような対面4人掛け席と2人用席があります。

上の画像をご覧下さい。2人用は目の前についたてがある形になるため展望があまりよくありません。進行方向によってはぜひ避けたい席です。

指宿のたまて箱の大きな特徴でもある海側に位置するカウンター席もあります。

こちらは誰でも利用できるフリースペースになります。椅子の背もたれがほとんどありませんのであくまで一時利用というところでしょうか。せいぜい50分程度の乗車で恐らく車内をウロウロとしたくなるはずですので、この席に居座るという事はないと思います。

座席はこんな感じです。

もちろんリクライニング可能。JR九州800系新幹線を思わせるデザインですね。

車内を見渡してみるとこんな感じになります。

こうして見てみるとどこか40系車両のあの雰囲気が残っていますね。好き好きですが、観光列車に乗っている気分ではない感じを受けます。

展望スペースの上は天窓仕様に。大きく広々とした印象を与えます。この席でずっと錦江湾を眺める事が出来ればいいのですが、パブリックスペースのためそうはいきません。

車内インテリアで目に付いたもの

さて、車内には素敵な絵が随所に飾られていました。

玉手箱=竜宮城、という事で海を連想させるものが多くみられました。このプレート、部屋に飾りたいくらいです。売ってないかな…。

指宿枕崎線は揺れる路線として知られている

さて、指宿のたまて箱が走る指宿枕崎線の話題です。

意外と知れ渡っている事ですが、この路線はとにかく揺れます。横揺れというよりも縦揺れですね。これはレールとレールの間のつなぎ目に段差があるために起きる現象のよう。地方のさらに末端となるとなかなか整備が行き届かないのでしょうか。

車両に設けられた揺れ対策

キハ47形が改造された際、縦揺れを軽減するための仕組みが新たに導入されたようです。WIKIを見てみますと次のような情報がありました。

地方交通線である指宿枕崎線の軌道の不整によるレールの継目部の落込みである継目落ちにより発生する上下振動を低減するため、減衰力制御弁付きの可変減衰上下動ダンパを初めて採用しており、台車の枕ばね(コイルばね)に平行して取付けられていた、従来の上下動オイルダンパと交換する形で装備されており、車体には4つの加速度センサーと制御装置を搭載して、加速度センサーにより検知された上下振動加速度を元に制御装置が減衰力指令値を計算して、可変減衰上下動ダンパにその指令値を送り、減衰力を可変させることで上下振動を抑制している。ー出典:ウィキペディア

同じような仕組みは指宿のたまて箱用キハ140形にも施されています。つまりJR九州側も揺れる事をよく認識しているという事ですね。ですから、他の普通車両に比べればまだましな方とも言えます。それにしても揺れますので、酔いやすい人はちょっと注意が必要かも。

お勧めの座席は?

お勧めはやはり海側A席です。JR九州の公式サイトにシートマップが掲載されていました。

画像出典:JR九州公式サイト

海側からABCDとなりますので、ABがねらい目です。また上記画像の※印の席は眺望がよろしくない席ですので是非外しましょう。

海側には錦江湾や桜島を望むことが出来ます。

3号車(増結車両)にご注意

指宿のたまて箱の雰囲気を最大限楽しみたい場合、3号車避けた方が無難。今回取り上げたようにどちらかというと普通の車両のインテリアに少しの手を加えた程度となっています。もちろん好みの問題ですが…。

時期によっては予約が取りずらい事も

今では空きが出る事もしばしばのようですが、休みの時期などはまだまだ予約の取りずらい列車である事に違いはなさそうです。時期をずらすか、もしくは1か月前のみどりの窓口10時打ちを狙うしかありません。

または、指宿のたまて箱を扱ったツアーを初めから予約するという手もあります。有名なところですと、近畿日本ツーリストでJR+宿泊のツアーを扱ってますので参考にしてみて下さい。

まとめ やはり50分ちょっとの乗車時間では物足りない

指宿のたまて箱は本当によく出来た車両だと思います。まさに観光列車!という感じでわくわくさせるものがありますね。だからこそ乗車時間がわずか50分ちょっとというのはもったいない気がしてなりません。

終点の指宿周辺には沢山の見どころがあり、特に夏の時期にこそ訪れたい土地です。指宿に付くまでの間、しばし夢のような時間を指宿のたまて箱で体験すれば子供たちにとって一生忘れる事のできない良い思い出になるのではないでしょうか。玉手箱をあけた青年はおじいさんになったと言われていますが、その思い出はいつまでも色あせる事なくよみがえってくることでしょう。

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