名古屋から賢島の間を近鉄観光特急しまかぜで移動してみました。今回初めてチケットレスに挑戦。お召列車としても使用される近鉄50000系は豪華な内装はもとより今では希少なカフェがあるのも大きなポイント。カフェを利用するコツは鳥羽到着前!乗車レポートです。
近鉄観光特急しまかぜ お勧め座席とカフェを利用するコツ
観光特急しまかぜについて
2013年にデビューした近鉄50000系電車を使用する観光特急しまかぜ。初めから「観光特急」を名乗っていることからもわかるように単なる移動手段以上の価値を詰め込んだ豪華列車となっています。
旅客扱いの車両全席がプレミアム扱い、つまり特別席。乗車券・特急券に加えて、しまかぜ特別車両券が必要になります。JRでいうところの全車グリーン席のような感じですね。時にはお召列車としても使用される50000系。豪華な理由がよくわかります。
近鉄ではこのしまかぜにかなり力を入れているようで、公式HPの出来がかなり良く見ごたえがあります。
運行区間
- 大阪難波 ~ 賢島
- 京都 ~ 賢島
- 近鉄名古屋 ~ 賢島
主要3都市から賢島へ向かいます。途中、伊勢市や鳥羽など有名な観光地に停まりますのでそういう意味でも観光特急といえるでしょう。
このうち今回は近鉄名古屋から賢島までの区間に乗車しました。
しまかぜが使用する車両・近鉄50000系乗車レポート
近鉄名古屋駅を出発するのは10:25分。入線時間は10:15分頃でしたので10分間ほど時間があります。もう少し早い入線だとありがたいのですが、ひっきりなしに発着する列車を見ていると致し方ないのかなと思います。
こちらはカフェ車両。ご覧のようにダブルデッカーとなっており、1階、2階ともカフェ席になっています。
車内に入ってすぐに気づいたのは、デッキ部分の足元に天然石が使用されている事。
こんなのは今まで見たことがありません。まるでホテルかデパートのようです。凝っていますね。
先頭車両・ハイデッカー車
続けて車内を。自分がこの日予約したのは1号車。つまりハイデッカー車両です。
前面展望ですが、あいにくこの日は最後尾の車両。とはいえ雰囲気はよくわかります。
ご覧のように1+2列のシートが並びます。
本革張り、レッグレスト、ヘッドレスト部のLED読書灯など、JRのグリーン席を上回る豪華さです。もっとも新幹線のグランクラスほどではありません。気軽に、でもゆったりと出来るつくりです。足元はもちろんカーペット敷き。窓枠は一列に一枚のタイプですので奇数番偶数番・進行方向にかかわらず広い眺望がのぞめます。ひじ掛けの位置と窓枠の位置を比べてみると窓の面積が広いことが分かります。
名古屋発の車両の場合3号車には4~6人用のサロン席もあります(難波・京都発着の場合は4号車)。セミコンパートメント型ですので個室にはなりません。
なにやらブルートレインのB寝台車を思わせますね。このほか和室タイプ・洋室タイプの個室もあるようですが、残念ながら戸が閉まっていたため写真は撮れませんでした。
カフェ車両のカフェを利用してみる
発車後少ししてからカフェへ行ってみます。すでに満席でした。2階席が13席、1階席が6席の合計19席しかありませんので仕方ありません。
名古屋発賢島方面行き、4号車(難波・京都発着の場合3号車)の向かって右側に通路があります。
カフェに入る際には車両前方、販売カウンター側からのみ入れます。そこでアテンダントさんに案内してもらいカフェに入ります。
カフェの利用は鳥羽到着のしばらく前が狙い目
おそらくいずれは座れるだろうと考え、一端席に戻りました。
時刻表によると平日の鳥羽着が11:55分で終点賢島着が12:26分。約30分あります。おそらくかなりの人たちが鳥羽で降りると踏み、鳥羽に到着する20分くらい前に行けば空いているのでは?と予想しました。結果、ドンぴしゃ。
3名ほどおられただけでその人たちも少ししたら席に戻っていかれました。その後は貸し切りです。
営業時間を聞いたところ、賢島到着の15分前までとのこと。30分強はいられますので十分でした。
お勧めの席は?左右どっち?
この車両は1席に対して一枚の窓ガラスとなっています。ですので、偶数番奇数番関係なくどの列を選んでも広い眺望が得られます。違いがあるのは先頭車両となっているハイデッカー車の1・6号車と平屋建て車両の2・5号車でしょう。当然ハイデッカーの方が見晴らしが良いです。窓のサイズも平屋建て車に比べてハイデッカー車の方が広く、大変見晴らしがよい出来です。
左右どっちが良いか?ですが、どちらでも大差ないように感じました。しいて言えば、伊勢志摩近くに入ってくると賢島方面へ向かう基準で左側に海が見えてきます。同基準で進行方向向かって左側が2席、右側が1席のレイアウトとなります。ただ、1+2シートとなっている関係上一緒に旅行するメンバーの人数によっては好きな側を選べないという事もあるかもしれませんね。
なお、近鉄名古屋発着の列車と、大阪難波・京都発着の列車とでは号車番号が異なりますのでご注意ください。賢島行き基準で先頭車両になるのは、近鉄名古屋発が6号車、大阪難波・京都発が1号車となります。
しまかぜの予約はネットで完結。チケットレスで便利
しまかぜに乗るのに必要な切符
しまかぜに乗るのに必要な切符は次の3つです。
- 乗車券
- 特急券
- しまかぜ特別車両券
JRで例えると、特急のグリーン車に乗るのと感覚が似ています。乗車券はSUICA等のICカードでOK。あとは特急券・しまかぜ特別車両券さえ購入出来れば乗車出来ます。
ネットでの予約
近鉄はネットで特急券を購入、そのままチケットレスで乗車でき大変便利です。特徴を挙げます。
- 会員登録等は不要
- クレジットカードで支払い可
- その場で座席指定可。号車、座席番号をピンポイント予約
- 特急券は、購入画面の印刷・スクリーンショットでOK
- 確認メールに含められているリンクから特急券の再表示可
しまかぜの場合は特急券・しまかぜ特別車両券の二つ合わせた合算値での購入となります。物理的に二枚の切符になるわけではありません。
座席指定画面
画像は、2019年2月のある日の予約状況です。ご覧のように空いている席、予約済みの席がリアルタイムで表示されます。今回自分が予約したのは1号車の2A番でした。名古屋発の1号車は最後尾車両です。この図だけを見ると、9A席を予約すれば前面展望が期待できそうに錯覚しがちですが、9Aは実際には車両の最後尾列、目の前は壁になりますので要注意です。
座席指定をする画面で号車も自由に選べます。ハイデッカー車は1・6号車ですので切り替えてから選択しましょう。
発券されたチケット 印刷orスクリーンショットでOK
こちらが、実際に発券?!された際のスクリーンショットです。
購入後にこの画面が出ますのでスクリーンショットを撮っておき、当日検札の際に見せればOK。もちろん印刷したものを持参しても良いでしょう。購入の際に指定したメールアドレス宛に確認メールが届きます。チケットを再表示するためのリンクもありますので安心です。
HPの説明のよりますと、この購入画面と共に購入時に使用したクレジットカードをご持参下さいとありました。しかし実際乗車してみたところ車内での検札はなく特急券の提示を求められることはありませんでした。これは全車指定席ゆえオンライン上ですでに管理されているためでしょう。東海道新幹線でもこの方式を使って簡素化が図られていますね。もちろん購入履歴のない席に座っていれば声がかけられる事と思います。観光特急という性質を考えると検札がない(声かけがない)のはありがたいですね。”車掌さんがいつ来るか?“なんて気をもむ必要はなくいつでも気軽にカフェを利用したり車内探検に出る事ができます。
チケットレスであることの意義 近鉄管外の方には特に重宝するかも
近鉄管内(近畿・東海地区)の方々は気づきにくいのですが、管外で近鉄の特急券を買おうとすると近くの駅では買えないため旅行代理店にて購入することになります。しかも手数料がとられる場合があるのです。
その不便さを埋めてくれるのがネット予約です。しかもチケットレスでOKなため、わざわざ駅で発券してもらう必要もありません。特急券はネットで予約をし、旅行当日はSUICAを1枚持っていけば、JRと同じ感覚で乗れてしまいます。
予約は取りやすいか? いまだに人気ではあるものの1人掛け席なら空きがある事も
自分が乗車したのは7月前半、夏休み前の平日。予約したのはなんと乗車する前日でした。(上にあった座席予約画面はその時のものではありませんのでご注意ください。)それでも一人席だったらいくつか空きがあり、2人並び席の1列位はあったかな?!と記憶しています。デビュー当時に見られた発売と同時に完売、のような事はなさそうです。とはいえ未だに人気の列車であることに変わりはありません。冬の2月の時期でもほぼ満席の日がありました。グループで予約したい場合は注意が必要です。
満席になってしまった場合
発売と同時に埋まってしまっても大抵の場合キャンセルが出るものです。旅行会社が押さえている枠などが解放される事もあるかもしれません。目当ての日付がいっぱいでも根気強くチェックしましょう。ネットで確認できますので楽ですね。
旅行代理店のツアー商品を申し込むという手も
どうしても乗りたい、または大人数で利用したいという場合はツアーを利用するという手もあります。しまかぜに乗れるツアーはそれほど多くはありませんが、近鉄の関連会社でもる近畿日本ツーリストなどにはしまかぜを利用したツアーが多くあります。グループの強みでしょうか、「しまかぜで行く…」のようなツアーがあります。
伊勢志摩方面へ行くという事は当然何かしらの観光もされることと思います。泊りで行くようでしたら初めからツアーを利用した方が安く上がるかもしれませんね。
どこに泊まるか?どこを見に行くか?
伊勢志摩周辺には宿泊施設がそれこそゴマンとありますが、個人的には賢島あたりで一泊してみたいですね。観光ならば鳥羽ですが、静かに、ゆっくりと過ごせそうなのが賢島のように感じました。
まとめ あっという間の2時間。もう少し乗っていたい列車
豪華なゆったりとしたシート、抜群の眺望に加えカフェ車両の連結など、2時間で降りてしまうのは惜しい列車でした。以下の写真は終点賢島にて撮影したものです。
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