【クロップってなんですか】EOS RPを買う前に知っておきたい事

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EOS RPのおかげでフルサイズミラーレスが一気に身近になりました。一応初心者も手に取ってもらいやすいようなモデルに仕上がっているようです。初心者がEOS RPを買う前に知っておきたい事柄を取り上げてみました。

EOS RPに関する素朴な疑問

デジタル一眼レフを初めて10年。現在は主にEOS 7Dを使っています。この度ようやくEOS RPでフルサイズデビューをしました。いまだEOS 7Dの方が機能が上という部分もありますのであくまで買い増し・使い分け用途です。

このEOS RP、一応初心者でも使いやすいように、というコンセプトがあります。初心者にとって初めは”???”な事柄を取り上げてみました。

  1. EOS Kissシリーズのキットレンズは使えるか
  2. マウントアダプターが必要なそもそもの理由
  3. ”クロップ”の意味(その必要性、クロップで1.6倍になる理由)
  4. マウントアダプターを付けると全長が伸びてしまうか
  5. EOS Rとの相違点

EOS Kiss シリーズのキットレンズは使えるの?

EOS Kiss Xシリーズ(一眼レフ)に付属しているキットレンズ(EF-Sレンズ)が使えます。ただし、EF-EOS-R マウントアダプターが必要です。EOS Kissからのステップアップでも心配ありません。(※EOS-M(ミラーレス一眼)に付属しているEF-Mマウントのレンズは使えません。)

EF-SレンズはAPS-Cサイズ専用のレンズとなっています。このレンズを装着するとEOS RP側で認識し自動的にクロップされる仕組みになっています。

EF、EF-Sレンズを使う場合にはEF-EOS Rマウントアダプターが必要

マウントアダプターが必要なそもそもの理由は?

マウントの形状が違うから”という理由はすぐに思いつくと思いますが、マウントアダプターにはさらに大切な役目があります。主な理由を二つ上げてみます。

  1. マウントの形状を変換するため
  2. 焦点距離を合わせるため

1.マウントの形状を変換する。EOS の一眼レフ類はEFマウントでした。対してEOS RPはRFマウントですので変換が必要です。

2.焦点距離を合わせる。ものすご~くざっくりとイメージで言いますと、レンズの中心とセンサーの間の距離が焦点距離になります。一眼レフカメラはミラーがある分ぶ厚い本体をしています。その前提で設計されたレンズを、ミラーの無い本体の薄いボディーに取り付けると焦点距離が想定された距離よりも短くなってしまいます。そこでアダプターを介してその距離を伸ばしてあげる必要があるわけです。なのでマウントアダプターは分厚いのですね。

EF-EOS Rマウントアダプターの重量とサイズ

重さとサイズを測ってみました。誤差はあると思いますので参考程度にとどめて頂ければと思います。

  • 重量:約109g(実測値)
  • 長さ:約24mm前後(実測値)
EF-EOS-R マウントアダプター

このマウントアダプターが意外と重いんですね。とはいえ、本体+アダプター=594g、EOS 7D=910gですので、僕にとっては約2/3の重さとなります。このわずか300gの差がじわじわと効いてくるのです。

クロップってなんですか?

クロップcrop)にはもともと「切り取る、刈り取る」といった意味があります。イラストレーターの場合はトリミングの意味で使われたりします。デジカメの場合、センサーの一部分のみで記録する事を指して”クロップする”と言います。

センサーサイズの違い

 

※APS-Cに関しては主なCANON機種のサイズを明記しています。EOS RPの正確なクロップサイズは不明です。

EOS RPの場合は通常、センサー全体で記録すると約2620万画素となりますが、クロップするとセンサーの中央部約1010万画素部分のみが記録されます。

なぜクロップが必要か?

EF-SレンズはAPS-Cサイズのセンサーに合わせて設計されています。下の写真はタムロンのAPS-Cサイズ専用レンズをEOS-RPに装着して撮った写真です。(社外レンズの為自動的には認識されずにフルサイズでの記録となりました。)

四隅が暗くなっていますね。フルサイズよりも小さなAPS-Cサイズセンサーに特化したレンズだからです。この写真の中央部のみを切り取って記録する事がすなわち”クロップ”という訳です。

 

サイズの合わないレンズフードを使用したときにも四隅が暗くなることがあります。その事を”ケラレる”と言います。
”クロップすると1.6倍になる”の意味

取扱説明書のクロップの説明には次のようにあります。

撮影画面中央の約1.6倍(APS-Cサイズ相当)の範囲のみを記録して、望遠レンズで撮影したような写真を撮影したり…

”切り取られて画素数が減るのに、なんで1.6倍になるの?”と思う人もいるかもしれません。

上記写真はフルサイズセンサーで記録した写真になります。APS-C用レンズなので当然四隅が暗くなります。それをクロップモードで記録すると、赤枠で囲った部分のみが記録される事になります。

画素数は減りますが、実際にプリントするときには紙いっぱいに印刷しますね。そうすると下のような見え方になるはずです。

大きく見える事になります。この時、元の写真と比べて約1.6倍の大きさになるという意味です。(上の写真、ちょっとケラレていますね)

 

キヤノンとそれ以外のレンズでの挙動の違い

  • CANON EF-Sレンズは自動的に認識されクロップされる
  • 他社のAPS-Cサイズ用レンズの場合、手動でクロップに設定しなければならない

 

EF-EOS Rマウントアダプターを付けるとその分全長が伸びてしまうのでは?

確かにその通りなんですが、実は同じレンズを使う限り一眼レフとほとんど変わりません。一眼レフ機はミラー部分があるためどうしても分厚くなりますがミラーのないEOS RPはミラーがない分薄く作られているからです。

比べてみましょう。

 

こうして比べてみますと、上記組み合わせでは5㎜しか違わない事が分かります。焦点距離を合わせるためにアダプターが必要だったという事を考えるとほぼ同じになるのは予想できる事ですね。

焦点位置(センサー位置)は確認できる

一眼ボディーを上からよく見てみると、を刺したようなマークがある事に気づきます。

上の写真の場合、EOS RPの文字の左下部分がそれです。

実はこれ、焦点位置を示すマーク。つまりセンサー面がある位置です。先ほど取り上げたように、レンズ中央から焦点位置までの距離が焦点距離となります。一眼レフ機であろうが、ミラーレスであろうがこの間隔は同じで、レンズからここまでの距離は同じになる(なっていなければならない)わけです。

それで、同じレンズを使う限り焦点距離は一緒、カメラの長さに違いが出るとしたら、このマークよりも後ろ側の厚みの違いでしかありません。

今まで使っていたカメラバッグやインナーバッグがそのまま使えるかな?と心配になる事がかもしれませんが、同じレンズを使う限りあまり気にしなくても大丈夫なのが分かります。

そぎ落とされた機能にはどんなものがあるか?

フルサイズミラーレスとしては大変安価な部類に入るEOS RP。当然上位機種であるEOS Rと比べてみると機能が制限されている事が分かります。

EOS Rと比べた違いカッコ内はEOS R

  • 連射が5コマ/秒(8コマ/秒)
  • 画素数約2620万画素(約3030万画素
  • 本体肩の表示パネルなし(有り
  • 電源OFF時に降りるシャッター幕なし(有り
  • シャッタースピード1/4000秒(1/8000秒
  • 電子先幕シャッターのみ(メカニカルシャッター有り
  • EVF:0.39型・約236万ドット(0.5型・約369万ドット
  • 液晶モニター:3.0型・約104万ドット(3.15型・約210万ドット
  • シャッター耐久性10万回(20万回

自分にとって外せない機能を比べてみる

価格差に見合うほどのメリットを感じなければ上位機種や他社モデルを検討できるかも

今はEOS Kissのキットレンズしか持っていません。EOS RPを買ってもいいでしょうか?

お好きにどうぞ。では味気ないので…。EF-Sレンズも使えますよ、というのが答え。確かにAPS-C専用レンズしか持っていない場合、フルサイズセンサーの恩恵は受けられません。できればフルサイズ用のレンズがあった方が良いでしょう。

しかし、一眼レフにはない利点がミラーレスのEOS RPにはあります。例えばEVFですので暗いところでの撮影がレフ機より楽かもしれません。EF40mm f2.8 stmなどのレンズを一緒に買い、後々レンズをそろえていくという手もあるかもしれません。

結局欲しくなると何かと理由を付けて買ってしまうものですよね。懐具合と撮りたいものなどを冷静に考えてみてお好きにどうぞ。

現在の価格は?

カメラで毎度悩むのが買い時。株価と一緒で値動きを読むのが難しいです。購入を延ばせばその分シャッターチャンスを逃してしまう!と考えると、”欲しくなった時が買い時”というのはある意味正解かもしれませんね。

まとめ 軽い・小さい事に価値を見出せるようならば”買い”

EOS RPにまつわる疑問点をいくつか取り上げてみました。EOS Rに比べて機能が制限されていますが、自分はそこまで必要ないというのであればEOS RPは十分に選択肢に入ると思います。特に軽い・小さいという事は何物にも代えがたいアドバンテージになりうる要素。ここに価値を見出せる人は”買い”でしょう。せっかく良いカメラを買っても気軽に持ち出して撮影できなければ意味がありません。マチの狭い小さなカバンにもヒョイと入るサイズですのでガンガン使ってどんどん良い作品を生み出していければ良いのではないでしょうか。

 

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