APS-Cのカメラ(CANON 7D)でEF 24-70mm F4L IS USM(いわゆる小三元)を標準ズームレンズとして使うのは果たして有りか?デジカメ歴10年の自分がAPS-C機の標準ズームレンズとしてEF 24-70mm F4L IS USMを選んだ際に懸念した事柄と最終的に購入に踏み切った理由を取り上げてみます。
APS-CのカメラでEF 24-70mm F4L IS USMは有りか?
普段、キヤノンのEOS 7Dを使っていますが主なレンズとしてはこれまでF.2.8通しのEF-S対応レンズを使っていました。以前にも取り上げたCANON EF-S17-55mm F2.8 IS USMとタムロン SP AF17-50mm F2.8 XR Di II VCです。
しかし、上記モデルでも一長一短があり今一つ”これだ”というものにめぐり合っていません。色々と考えていたところ、EF 24-70mm F4L IS USMという選択肢が出てきました。いわゆる小三元レンズと言われる類です。そういえば、EOS 7D MarkⅡのキットレンズにも採用されていましたね。
これまでこのレンズが選択肢に入っていなかった理由は、どうしても心配な点があったためです。
EF 24-70mm F4L IS USMをAPS-C機で使う事を考えた時気がかりだった事
- 24mmスタートなので広角に弱い
- 絞りF4スタートはちょっと暗くて心配
- Lレンズの割には安いが、それでも高い
24mmスタートなので広角に弱い:気がかりだった事の一つが広角に弱い点。なにしろ今までは17mmの広角レンズに慣れていたわけですから、24mmでは全然足りないのでは?と考え二の足を踏んでいたわけです。お城巡りをしているとさらにワイドなレンズが欲しいと思うほどでした。
絞りF4スタートはちょっと暗くて心配:初めて一眼レフ購入後初めて買った交換レンズがEF 50mm F1.8でした。ご存知撒き餌レンズです。まんまと餌にかかってしまった自分は「明るい=ボケる」の図式をひたすら追い求める事になります。当然、F4通しの良さなどわかるはずもありませんでした。そのようなわけでF4ではちょっと心配だったわけです。さらに、7Dの中央部F2.8斜めクロスセンサーの特性を活かし切れるレンズでないともったいない、とも考えていました。
Lレンズの割には安いが、それでも高い:実勢価格10万越えのレンズです。安い方とはいえデジイチがもう一台買える値段には初めから触手が伸びませんでした。そもそも我が家の財務次官が恐らくNGを出すことでしょう(笑)
以上の理由で初めから候補に挙がっていませんでした。しかしここ最近、「意外と有かも?!」と考えるようになりました。
EF 24-70mm F4L IS USMでもAPS-C機の標準ズームレンズになり得ると感じた理由
意外と有りかも!?と考えるようになった根拠をあげてみたいと思います。
24㎜スタートをどうみなすか?:過去撮った写真を見返してみたところ、17㎜で撮っている写真はそれほど多くありませんでした。さらに、17㎜で撮った風景写真の多くが”ただ単にだだっ広いだけの写真”となってしまい、広角の特性を活かしきれていない写真だった事に気付きました。
自分の腕ではまだ広角レンズの特性を活かしきれるような写真が撮れていません。単なるスナップ、記録としての写真でしたら別に今あるレンズでも事足りそうです。
さらに、28mm 単焦点一本で10日間ほどの放浪の旅をした時には、28mmでも意外と何とかなるものだという事を実感。結局工夫次第なのだと思えば24mmスタートでも困らないのでは?と考えたわけです。
F4通しではどうか?:今まではボカす=明るいレンズという図式にばかり目がいっていましたが、べつに写真がボケる要素はレンズの明るさだけではありません。F4でも工夫すればそこそこボケてくれます。出来るだけ望遠側を使う、主題となる被写体に出来るだけ寄る、といった工夫をすればOKなわけです。幸いEF 24-70mm F4L IS USMはそこそこ寄れるレンズで十分なボケを楽しむことができます。加えて簡易マクロ機能も備えており便利です。
Lレンズは高価?:これが一番の盲点でした。高いとばかり思いこんでいましたが、中古を狙えばそこそこ安いものが手に入ります。特にEOS 6D Mark Ⅱのキットレンズになっていたせいか、セットで購入後即売却する人が多いようで中古市場は潤沢に潤っています。フォーカスシフト問題なども相まって入手しやすい部類に入るのではないでしょうか。レンズの程度によりますが5万円台から入手できるケースがあるようです。
EF 24-70mm F4L IS USMを実際に購入してみて感じた事
良かった点
- USMでのピント合わせが速く静か
- 簡易マクロが事のほか”使える”
- 広角24mmでもまずまず困らない
- Lレンズらしい解像感と写り
- 結構寄れるのでテーブルフォトにも使える
- F4通しなので望遠側70mmでもF4なのは助かる
- 程度の良い中古品が6万円台で買えた
今のところ24mmで困る場面はあまりありません。もっと広角側があったら・・・という時も画角を工夫したり後ろに下がるなどの工夫で何とかなっています。考えてみると単焦点1本で撮るときは足で距離を稼ぐケースが多いわけですからね。その不便さも楽しさの一つと考えれ全然問題になりません。
残念な点
- 室内ではもう少し明るいレンズが欲しくなる
- 時々ピンが迷う事がある
理解していなければならないのはF4通しだという事でしょうか。たまにピンが迷うケースも出てきます。F2.8通しレンズでは一発で合うのですが…。EOS 7D自体がかなり古い機種なので、最近の高感度に対応した機種ならばしのげるのかもしれません。
余談ですがdポイント魔法のスーパーチャンス!で取得したポイントとITReviewで取得したポイントのおかげでこのレンズ、ほぼタダで入手出来ました。そうでなければ我が家の財務次官が首を縦に振らなかった事でしょう。
中古市場を積極的に活用するのも一つの手だと思った件
中古品というとどうしても二の足を踏んでしまいます。ですが考えてみると自分が今使っている機材もそこそこ古い年数ですが現役で使えています。多少ホコリが入っていてもたいして気になりません。自動車は中古市場が確立していますが、同じように中古レンズを選択するのも賢い方法なのでは?と思いました。よく参考にするのはカメラのキタムラ ネット中古 辺りです。プロならばともかく、たまに趣味で使う程度でしたら程度の良い中古を探してみるのも一つの手なのでは?と思います。
まとめ APS-C機でEF 24-70mm F4L IS USMは全然ありだと思う
心配だった点を考え直すと以下のようになりました。
- 広角レンズは腕が伴わないと単なるだだっ広い写真にしかならない。よって自分の場合は24mmでも問題なし
- 絞りF4でも工夫次第でそこそこボケる
- 程度の良い中古を狙えば、十分に手が届く価格
EF-S17-55mm F2.8 IS USMを買ったときには”これじゃない”感があったのですがEF 24-70mm F4L IS USMは買って正解だったと思います。何といってもEF-Sレンズと違ってEF 24-70mm F4L IS USMはフルサイズ用ですからね。いずれフルサイズに移行しても活用できることを考えると良い買い物でした(ほぼタダでしたが…)。フルサイズ機で使えばそもそも広角側に狭い点も解消されます。
今回の例は自分のスキルでの話です。広角側を効果的に活かし切れる腕を持つ方でしたら、広角側が足りないと感じるかもしれません。
さらなる強力なボケが欲しい時は素直に明るい単焦点に付け替えたいと思います。幸いにして最近職場の先輩からオリンパスのオールドレンズを頂いたので積極的に活用していきたいと思います。そちらのレビューはまたいずれ。
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