前回からの続きです。
扱われている内容「Entity Frameworkによるデータアクセス」
井出秀行さんの著した「実戦で役立つ Cプログラミングのイディオム/定石&パターン」という本のおすすめ理由として「Entity Frameworkによるデータアクセス」が取り上げられている点を挙げたいと思います。
WindowsフォームアプリでSQLServerに接続するための技術として、かつてはADO.netを主体に使っていたと思います。DataTableやらDataSetやら、TableAdapterといった単語を思い出しますね。その後データアクセスの手段として「Entity Framework」が使われるようになりました。
しかし、このEntity Frameworkを扱った参考書があまり見当たりません。WEB上の情報をかき集めて何とか理解していくみたいな感じです。
今回取り上げた書籍にはこのEntity Frameworkの事が体系的に取り上げられていて参考になります。
- エンティティークラスの作成
- DbContextクラスの作成
- データの追加
- データの読み取り
- 再度、データの追加
- データの変更
- データの削除
- 高度なクエリ
- 関連エンティティ―の一括読み込み
- データ注釈と自動マイグレーション
といった内容が扱われ、基本的な事は一通り理解できるようになっています。
もちろんこれ一冊ですべてが理解できるわけではありませんが、足掛かりとしつつ他の情報は自分でWEBから収集していけばOKなのではないかと思います。
このほかにEntity Frameworkを扱った書籍の紹介
Entity Frameworkを扱った書籍は他にもありますので、この機会に取り上げておきます。
ASP.NET MVC5実践プログラミング
ASP.net MVCを扱った、「ASP.NET MVC5実践プログラミング」という書籍も大変役立ちました。Model作成の部分でEntity Frameworkが使われています。
特に、Entity Frameworkにてデータを取得する際に使用するコードに「メソッド構文」と「クエリ構文」の2種類がある事が説明されていて大変参考になりました。これを初めから知っていないとネットでコード例を見ても混乱すると思います。
全体的に中級者以上向けのような印象です。
ひと目でわかるVisualC# 2015 アプリケーション 開発入門
「ひと目でわかるVisualC 2015 アプリケーション 開発入門 (マイクロソフト関連書)※」の方はWPFとWindowsフォームアプリの両方が扱われています。
ちょっと古いですが、「ひと目でわかる Visual C 2013/2012 アプリケーション開発入門 (MSDNプログラミングシリーズ)※」はWPFアプリ作りのみが扱われているので、情報量としてはそちらの方が良いかも。
これらは以前にも紹介しました。いずれも次のような人向けです。
- Entity Frameworkでのデータアクセスを学びたい
- WPFの基本を学びたい
- XAMLで画面を描画する基礎を学びたい
- Accessから脱却したい
特に、「Accessで行っていたデータ処理からSQLServerへ移行したい」という人にはお勧めします。
ただし、一冊ですべてを説明しきる事はできません。書かれている内容を理解するためにさらなる参考書を調べたりWEBでいわゆる行間を埋める事の出来る人向けといえるでしょう。
しかしこれ一冊を理解できる位になれば基本的な事はかなり出来るようになるのでは?と思います。
一つのたたき台としてチャレンジするのにもってこいです。
AccessのADPがなくなった今、かつての資産をどうしようかと悩み、結果WindowsフォームアプリやWPFに移行せねばならない人もいるかと思います。UWPにまでは手を出せない、WEBベースも敷居が高い・・・、なんていう場合、選択肢としてはありだと思います。
ちなみに、この書籍でも扱われている画面描画の部分でXAMLの基礎が垣間見れます。UWPでも採用されている手法ですので、ここで学んだ概念はUWPアプリづくりにも役立つのでは?と思います。
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